「ここね……」
草木も眠る丑三つ時。
と言っても現地時間ではあるが。
ケインの宇宙船、『ソードブレイカー』は、銀河の辺境、太陽系よりもなお寂
れた、銀河系第12セクションに来ていた。
勿論ギルガの経営する店のある星ではあるが、何せ営業内容が仮想売春屋であ
る。惑星にあるのはどでかい通信アンテナとどでかいコンピュータ、設備維持の
ための最小限度の役員のための施設程度である。
そんな星の、こんな時間である。活動しているのは店のコンピュータとキャナ
ルぐらいのものである。
ケインはと言えば、「今回はお前が受けた仕事だし、お前にしかできない仕事
だ。勝手にやってくれ。」と言って、はや床についている。実際、相手が仮想空
間の中の人間となると、生身のケインは全く手が出ないのだ。
「さてと、そろそろ始めますか。」
そう言うとキャナルは空中に浮遊する。彼女の体が光り、一瞬で衣服が替わる。
立体映像の彼女ならではの光景だ。
いつもの服装ながら、スカートの丈は短く、下着が見えている。胸はいつもよ
りも大きく見える。そして、どことなく妖艶な雰囲気を醸し出している。
「……こんな感じでいいかな?」
そう言うとキャナルは店のコンピュータにアクセスする。
ギルガに頼んで、新しいAIとして搬入されるように設定してある。実際、侵
入者の女性は新規AIが搬入されると必ずアクセスしてくるのだと言う。
ややしばらくして、無事仮想店内の待合室にたどり着いたキャナル。
「……っと、新人さんだね?」
支配人が声をかけてくる。
「はい、今日付けで納品された、キャナル=ヴォルフィードです。」
「はっはっは、納品ね。
じゃぁ、早速研修室に案内するよ。とりあえず新人研修をして貰って、そのあ
と営業に回って貰うからね。服装データはそれが可愛いからそのままで良いよ。」
「はい、色々すみません。」
お辞儀をして、顔を上げると、既にキャナルは研修室に転送されていた。
「いらっしゃい。」
声の方を見ると、若い女性が立っている。髪はポニーテールで、黒く美しい。
胸は大きく、腰もくびれ、まさにナイスバディである。
「私が研修員のトモコよ。よろしくね。」
「……なるほど、あなたが侵入者ね。」
キャナルの言葉に一瞬驚く表情を浮かべるトモコ。しかし、すぐ冷静に答える。
「ふ〜ん、私を連れ戻しに来たって訳?
でも嫌よ。私はここの女の子と楽しい日々を送ってるんだから。」
「そんなこと言わないで、話だけでも聞いてよ。」
「まぁ、待ちなさいって。私も鬼じゃないわ。貴方みたいな子、好きだし。
勝負しましょう。私に勝ったら、言うことを聞いてあげる。」
「勝負?」
「そ。
どうせギルガから話は聞いてるんでしょ?
私を連れ戻すには、私を説得するか、私を気絶させるか。
つまり、私をイカせれば、貴方の仕事は成功する訳よ。」
「……ってことは……」
「そ。私とHして、先にイカせた方が勝ち。
私が勝ったら、貴方にもここに残って貰うわ。」
「そん……」
思わず言い返そうとするキャナルに、トモコは余裕で言い返す。
「貴方に選択の余地は、無いはずよ。」
「……分かったわ。」
仕方ない、と言うような表情で、キャナルはトモコに近づいていった。
「……でも、私が勝ったら、連れて帰るわよ。」
「いいわよ。私に勝てたらね。」
「……そろそろ効いてきたかしら?」
「お互いにね……」
キャナルもトモコも、どこか物欲しそうな表情になっていた。
勝負を早く付けるためにお互いに呑んだ媚薬が効いてきたのである。
「でも、トモコって綺麗な顔してるわよね……」
「キャナルだって、とっても綺麗……」
二人は徐々に顔を近づけていく。お互いの手を取り、お互いの体温を感じていく。
「……トモコ……」
「ん……」
キャナルの方からキスをする。そっと舌を入れると、トモコも舌を絡めて答える。
「んふぅ……」
「ん……っ」
お互いの唾液がこぼれだし、二人の服の胸元をぬらす。
「……キス……上手いのね……」
優しくささやきながら、キャナルの胸を揉むトモコ。
「あっ……あは……」
「大きな胸……」
トモコの指が、キャナルの胸に沈み込む。服の上からでも分かるほどに乳首が
立ってきている。
「可愛いわ……もっと聞かせて、貴方の綺麗な声……」
トモコの親指が、キャナルの乳首を刺激する。
「きゃふっ!……はぁん……んは……」
トモコの親指の動きに合わせるように、キャナルが体を反らせる。
「どう?……たまには、女の子同士も良いでしょう?お互いの体が解っているか
ら、気持ち良いポイントも解るのよ……」
そう言うと、着ているスーツの胸元を開け、自分の胸をキャナルの胸に押しつ
ける。
「あふぅ……あぁ…は……」
「あっ、あっ、あぁ……」
キャナルの服越しにお互いの乳首がこすれ合い、二人に快楽の波が襲う。
「あっ……さすがに……んんっ……上手ね……あはぁ……」
喘ぎながらも、当初の目的を忘れていないキャナル。
胸の動きはそのままに、トモコのズボンに手を入れる。
「きゃぁっ!」
突然の激しい刺激に、思わずのけぞるトモコ。
手のひら全体を使い、トモコのパンティをさするキャナル。その手のひらは、
徐々に湿り気を帯びていく。
「可愛い……あんなに強気なのに、こんなに可愛く喘ぐなんて……」
「だ、だってぇ……だぁ……ってぇ……」
「ほら、もうこんなに濡れてる。」
右手一杯に愛液を付けたキャナルは、愛撫を左手に託しながら、トモコの顔の
前で指を広げる。ぬらぬらとした愛液がキャナルの手にからみつき、ゆっくりと
トモコの口元に落ちる。
「んふぅ、んぁっ……」
股間からの刺激に耐えながら、自らの愛液のついたキャナルの手を口元に持っ
てきて、舌でなめ回す。
「あっ……なんで……あはぁ……」
ただ手を嘗められているだけなのに、今まで感じたこともないような快感を感
じるキャナル。
「ふっ……んふっ……んはぁ……」
「ぁぅ……ぅはぁ…っっぁあっ……」
手のひらで丘をなぞられる。
指に付いた愛液を嘗め取られる。
普通であれば単なる前戯でしかあり得ない行為。
だが、二人は普通の人が愛し合うときと同じくらいの、いや、それ以上の快感
を得ていた。
それが、この異常な状況での行為の為なのか、それとも媚薬のせいなのか、そ
れとも他の要因があるのか。
しかし、二人にとってそんなことは関係なかった。今はただ、押し寄せる臨界
点に耐えながら、この今まで感じたことのない様な快感を少しでも長く感じてい
たい、ただそれだけだった。
「ふうっ、うんっ、んんぁあっ、ふうっ。」
「あっ、ぁあっ、いっ、いぃぁあっ。」
徐々に上下移動の速度を上げるキャナル。
人差し指と中指をくわえ込み、フェラをするように頭を前後に揺らすトモコ。
二人はもはや限界だった。
「んふっ、ふっ、んっ、んっ、んぁぁぁああああっっっっ!!!!」
「いっ、ぃいっ、ぁはっ、ぁぁあああああっっっっ!!!!」
絶叫と共に、お互いにもたれかかる。キャナルの太股は愛液で濡れ、白い布は
透けて太股の肌色が見える。トモコのズボンもまたしっとりとし、ぴったりと股
間の造形を映し出している。
「ふうっ、ふうっ、今のは、はぁっ、同時よね。」
「はぁっ、はぁっ、そう、みたいね、ふうっ。」
肩で息をしながら話す。しかし、勝負の勝敗以前に、火の付いた体はまだ満足
していなかった。
どちらからと言う訳でもなくベッドに乗る。辛うじて当初の目的を意識してい
るキャナルでさえ、これからの行為に対し期待を胸に抱かずにはいられなかった。
「ん………」
「あっ……んふぅ……」
お互いの舌を嘗め、お互いの唾液を呑み、お互いの唇を濡らす。火照る体を潤
すかの如く、貪欲とも言えるほどに飲み込んでいく。
「んっ……んふぅ…んっ……」
キスを続けたまま何かを手探りで取り出すトモコ。そして、彼女の手は目標を
発見した。
「ふぅっ……キャナル、こんなのはどう?」
「え……?」
ぢゅりゅりゅりゅりゅっ。
意識がもうろうとするキャナルの体を少し傾けると、胸の谷間からローション
を大量に流していく。彼女の服は妖しげな光を放ち、胸元と言わず、下腹部と言
わず、いやらしく透けていった。
「あ……」
自分の体を見て興奮しつつも恥じらいを感じたキャナルは、自分の手で胸の谷
間に溜まっているローションを拭き取ろうとする。
ぬりゅっ。
「あ゛う゛っ!」
ローションのぬるぬるした感触、そこから醸し出される微妙な快感、滑ってし
まうが為のもどかしさ。
それら全てが相乗効果を起こしたかの如く凄まじい快楽の波を引き起こし、彼
女のかすかに残された理性を流し去って行った。
「あ゛……あはぁ……ぃ…いぅん……」
そのあまりの快感に耐えきれず、キャナルは自らの胸と股間をさする。胸を掴
もうとしても、ぬるぬるとした彼女の服が邪魔をする。しかし、その感覚が、普
通に胸を揉む以上の快感を引き出していく。
「あっ、あぅ、いっ、あっ……」
胸元と言わず、股間と言わず、体全体をさするキャナル。その度にぐちゅぐち
ゅと言ういやらしい音が部屋中に響き、彼女の腕と体をローションの糸が結ぶ。
「……キャナル……」
トモコの体が彼女の体と重なっていく。腕だけでは感じられないほど広範囲に
快感を感じ、同時に彼女の体温を感じるキャナル。
「一人で気持ち良くなるなんてずるいわよ……」
当初の”勝負”などどこ吹く風、既に二人は性の虜と化していた。自らの性欲
を満たすため、ただひたすらお互いを愛し合う。そのことしか頭になかった。
「あっ……んはぁ……んふっ……」
「うんっ……くはっ……ぁあ……」
お互いに体を上下に動かし、擦り合う。キャナルの服はびっしょりと濡れ、半
透明となったその向こうには熱く火照った彼女の肌が見えていた。そしてその光
景は、そっくりそのままトモコの体でも見ることが出来た。
「はぁ……あんっ……んぁあっ!……」
「あんっ……ぁはぁ……はぁぁん!……」
キャナルがより強い刺激を求め、トモコへの密着度を上げようとひときわ強く
押しつける。二人の胸は潰れそうになりながら、ローションのぬるぬるとした感
触と共にかみ合うような格好で横にずれる。そして、そのあまりの刺激に耐えか
ねたトモコは、仰向けにベッドに倒れ込む。丁度、トモコの上にキャナルが覆い
被さる格好になった。
『あ……』
見つめ合う二人。一瞬の沈黙。赤面する二人の顔。
しかし、彼女たちの体は、そんな沈黙には耐えられなかった。
キャナルがおもむろに体を上下する。座っているときよりも上下の幅が広くな
ったこともあり、今までの強烈な感覚をも上回る快感が二人を襲う。
「はぁん……いい……ぁはぁ……くはぁ……」
「あん……んはぁ……ぁっ……気持ちぃ……」
部屋にはぐちゅぐちゅと言うローションのこすれる音とベッドのきしむ音、そ
して二匹の雌の喘ぎ声がこだまする。
「だめ……トモコ……もう、私……」
「キャナル……キャナル……キャ……はぁっ……」
二人の動きが加速する。限界点が近づいていく。
目をぎゅっと閉じて我慢しようとするキャナル。しかし、その脳裏には既に勝
負のことなど無く、単純にその今まで感じたことのない恍惚感をより長く味わっ
ていたい、そんな性欲だけが支配していた。
「いっちゃ……いっ……いっちゃうっ……」
「あっ……あ゛は゛ぁ……いくっ……ひぃっ……」
「あっ……あっ……ぁああっ……」
「きゃ……いく……ぅうううううっっっ!!!!」
「んっ……う゛は゛……っくううううっっっっ!!!」
びくびくと体をけいれんさせて絶頂を迎える二人。
「はっ……あっ……んっ……」
「ふっ……んはぁ……ぁあっ……」
余韻に浸りながら軽くイき続ける。熱い息を吐きながら、体中を脱力感が襲った。
「……私の負けね……」
しばらくしてトモコが切り出す。ほんの一瞬ではあったが、彼女の方が早く
イったのは二人とも解っていた。
「……約束通り、ここからは出て行くわ。女の子達にもちょっかい出さない。」
「随分と素直なのね。」
「……まぁね。」
「ここで会えなくなっても、また『現実世界』で会えるから?」
キャナルの台詞に驚きを隠せないトモコ。
「……いつから知ってたの?ここのみんなが生身の女の子だって。」
「初めから怪しいとは思ってたわ。ここの人の対応も不自然だし。
でも、確信したのは貴方に会ってから。」
「そう……」
「まぁ、貴方をどうこうするつもりはないし、ここのオーナーさんからもたっぷ
りもらう物はもらうし。」
「……もう行くの?」
振り返るキャナル。トモコと再び見つめ合う。
「……どうして?」
「……まだ夜明けには時間があるんじゃない?」
「……そうね……」
ゆっくりと近づく二人の唇は、熱い吐息を吐きながら重なり合っていく。
「ん……」
「は……」
彼女たちの夜は、まだ終わらない。
(艶夢 微睡む:完)
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あ と が き
作:ども、皆さんこんにちわ。
最近自分はレズ物が好きだなと改めて感じる悪平です(爆笑)。
この度は、このような作品を読んでいただきありがとうございます。
L:なーんか、いつも書き出し、ワンパターンね。
作:う゛っ……
L:作品中の表現もマンネリだし。
作:ぐっ……
L:喘ぎ声の表現だって……
作:……仕方ないやんけ、
わし、おなごの喘ぎ声を生で聞いたことあらへんねんモン!!!
L:おまいはどこ出身だ!?
作:まぁともかく、
今回は色々ゴタゴタがあって、書くスピードが遅かったですが、ご容赦下さい。
前半部分も色々変更されているので、
暫定公開版を読んで頂いた方ももう一度初めから読んで頂ければ幸いです。
L:そういえば、なんかトップページに変な告知してたわね。
作:そそ。おいらイベント好きだから。
アクセス数が 5,000 に達した時点で、記念のCG大会を開催します。
詳しいことはまだ検討中ですが、大体こんな感じにしようと思っています。
・スピード部門
とにかく一番最初に送っていただいた方に贈る賞です。スピード重視。
・挿し絵部門
おいらの書いた作品の挿し絵を対象にした部門です。
どの作品のどのシーンでもOK。基本的にはHシーンを熱望(爆笑)。
・キャラクター部門
今おいらが萌えているキャラクターのHなCGを送ってもらうこの部門。
対象は
・キャナル(ロスト・ユニバース)
・夏姫 (はいぱー・ぽりす)
・ライム (セイバーマリオネットJ)
以上3キャラ。
・オナニー部門
いろんなキャラクターの一人HのCGを大募集!
洋服の上から、はだけた容姿で、裸体で。
椅子に座って、お風呂の中で、ベッドの上で。
いろんなシーンで頑張りましょう!(爆)
・フリー部門
上記の4部門とは関係ない、フリーのCGも勿論OK。
HなところなのでHなCGの方が好みです(笑)。
一枚のCGで複数の分野に参加可能です。
というか、「○○部門応募」と言う風にして頂かなくても、
こっちで割り振りますので(笑)。
締め切りは、
アクセス数が一定数(6,000 とか 7,000)になるまでにする予定です。
L:しっかし、自分で描きもしないくせに募集するかね?
しかも、色々注文付けて。
作:(あさっての方向を向きながら)
なお、お送りいただいたCGは基本的にここに掲載させて頂きますので
掲載して欲しくない方はその旨をお知らせ下さい。
応募先は、
syuu_akudaira@hotmail.com
まで。
おいら専用のアドレスではないため、
どこかに「悪平宛」の旨を記載していただけると有り難いです。
L:ほほぉぅ、あんたも偉くなったわねぇ、この私を無視するなんて。
作:あ、いや、その、
あ、ほら、なんかこの展開前にもなかったっけ?
L:問答無用!!!
げすっ
L:では皆さん、また今度。
寛大な方は、CGでも送って下さいねぇ☆
(下りた幕が、作者の血で赤く染まる。終。)