セイバーマリオネットH:番外編
ローレライの
憂鬱
作:悪平 修
「……フゥ……」
「どーかしたんスか?ローレライ?」
「あ、いえ、大丈夫よ小樽。」
問われて慌てて応えるローレライ。
今日はライムたちの定期検診。お城に来た小樽は、コンソールを操作しながらも、時々深いため息を付くローレライのことを気にとめていた。
(小樽……)
しかし、そのため息、いや、吐息と言った方が正確か、ともかくその原因は、他ならぬ小樽の優しさそのものだった。激務に追われ、一人ですることすらままならない女にとって、それは砂漠の中のオアシスに他ならない。
(もしこのまま小樽と……いえ、そんな、ライムたちが眠っているのを良いことに……それに、彼の優しさにつけ込んで利用するようなことは……)
「……あの、本当にデージョブですか?なんか、顔も赤いッスけど……」
ぴとっ
「あっ!?……」
小樽に突然おでこで熱を計られて、思わず声を出してしまうローレライ。
「うーーーん、やっぱりちっと熱っぽいッスね。」
「あ……」
自分の心を見透かされたような小樽の言葉。そして、目の前にある、優しい青年の顔。
(……ごめんね……ライム……)
心の中でつぶやく陳謝の言葉が言い訳でしかないのは彼女自身解っていたのかもしれない。
「ちょっと体がアツイの……」
しかし、彼女の口から出た言葉は、男を誘惑する女の言葉だった。
「あんまり根詰めて仕事しない方が……」
「……ちょっと休もうかしら……休憩室まで連れて行ってくれる?」
「ろ、ローレライ!?」
小樽が戸惑うのも無理はない。ローレライは突然小樽に抱きつくように腕を首の後ろに回し、耳元で囁くように小樽に"お願い"し
ているのだ。
「……お願い……」
「ぅ……わ、分かりました……」
「ありがと……」
「……っ……」
耳元で、小樽の魂そのものを刺激するように吹きかけられる熱い吐息。その甘い香りに彼の心は戸惑っていた。
(い、いってぇどうしちまったってんだ、ローレライは?やっぱり病気なのか……?)
「そ、それじゃ、行きましょうか?」
「ァン……お願いよぉ……おんぶしてって☆」
「いいっ!?」
「…………ダメ?」
潤んだ瞳で上目遣いにこんな事を言われてしまっては、小樽としてはもはや選択の余地はない。
「と、ととととととととととととととんでもない!!!」
「フフ……」
にっこり微笑んだローレライはゆっくりと小樽の背中にその身を寄せる。
「優しいのね、小樽って……」
むにゅぅっ。
「ぁ、ぃいえぇ、そんな……」
「フフ……どうしたの、小樽?」
いつもとは違う、妖艶な香り漂う微笑みのローレライの顔が小樽の肩口、そう、彼の顔のすぐそばにあった。息づかい一つ一つを感じられる距離。しかしそれ以上に小樽を悩ませる感覚は彼の背中にある、大きく、そして柔らかい二つの膨らみ。
「な、何でもないっす!!!
さ、さぁ、急ぎましょう!!!」
小走りに休憩室に向かう小樽。しかし、焦れば焦るほど、背中の膨らみの上下が激しくなる。
(ううっ……な、なんかカタくなってきちまった……
い、いけねぇ!俺ぁ一体何を考えてるんだ!?
ローレライは病気かも知れねぇってぇのに……)
すっかり混乱している小樽。そんな"男"の背中で、ローレライは密かに自分自身を高めていた。
(小樽……)
彼女の我慢は徐々に限界に近づいていった。彼女の中で日頃押さえつけられていた本能が、今まさに爆発しようとその勢いを強めていく。そして、それを押さえようとする理性は、既に彼女の中で殆ど消滅していた。ただ早く"彼"と二人っきりになりたい、その思いが彼女を支配していた。
「つ、着きましたよ。」
「ありがとう、小樽。」
休憩室に入り、ベッドにローレライを寝かせる小樽。
しかし、次の瞬間、彼はローレライの思わぬ行動に衝撃を覚える。
「ねぇ、小樽……」
むぎゅっ
「は、はひぃっ!?」
突然両腕をあげたかと思うと、小樽の頭を自分の胸に押しつけるローレライ。
(や、柔らかい……それに、暖かくて、甘い匂いが……じゃなくて!!!)
「ちょ、ローレ……」
「体が……アツイの……ね……火照ってるでしょ?」
ぎゅうぅぅ
「はぅっ!?」
さらに両足で小樽の背中を挟むと、自分に密着させるように抱き寄せる。
「あら……小樽、私の太股に当たっているカタぁいモノは……なぁに?」
「えっ!?いや、その、あの……」
なぁに、も何もあったもんではない。小樽のナニは、すっかり覚醒し、鉄のように堅く、炎のように熱くなっていた。
「困らないで……私の"病気"を治すには、小樽、貴方のそのモノの力が必要なのよ……」
「えっ?……ローレライ、いってぇ、どんな病気に……」
ぽっ、と顔をより赤らめつつ、ローレライは小樽の耳元でつぶやく。
「欲求不満、よ☆」
言い終わるのと同時に、小樽の唇を奪うローレライ。
「んふぅ……」
「んんっ!?……んっ、んふっ、むーーーっ!!!」
「んふっ……んく・・くぅん……」
「!?!?!?……んっ、んくっ……」
突然接吻を受け、さらに下を絡め取られ、ローレライの甘い唾液を飲まされ、すっかり混乱してしまう小樽。
「んはぁ……ふふっ……」
「!!……あ……」
可愛らしく、女らしく、凛々しく、それでいて妖艶なローレライの微笑み。その顔に、三人の少女のイメージが重なる。
「ロ、ローレライ、あ、あの……」
「良いの……分かってる……貴方はライムたちが好きなんでしょ?」
「だ、だったら、こんなこと……」
言葉を遮り、小樽を抱きしめるローレライ。
「お願い……今だけ……今だけ、私を見て……」
「で、でも……」
「もうダメなの……我慢できないの……お願い……」
「う……」
小樽も男だ。潤んだ瞳でこんな"お願い"をされては、NOとは言えない。
「フフ……嫌だ、って言っても……」
ゆっくりと白衣を脱ぎながら、そっと耳元に口を寄せ、熱い吐息と共に言葉で愛撫するローレライ。
「……犯しちゃうから……」
「うっ……」
「フフ・・耳……気持ちイイ?」
「……ぁ……ぁぁ……ぅ……」
耳から始まり、顎、首、胸と、舌を這わせていくローレライ。小樽はその快感にすっかり酔いしれつつあった。
「はうっ!?」
突然、服の上からとはいえ、ローレライの優しい手で包み込まれ、声が裏返る小樽。
「まぁ、小樽のアソコは素直ねぇ……もうこんなに……」
「うっ!……はぁ……」
固く固く変化した逸物を優しくさするローレライ。そして同時に、彼の衣服をゆっくりと脱がせていく。
「ちょ、ちょっ……っあっ……」
「すご……びくびく言ってる……」
下着によって拘束されていた逸物を解放すると、いきり立つ小樽自身。引き寄せられるように顔を近づけるローレライ。
ビクビクと自己主張する逸物は、自らの要望を伝えるかのように、血管を浮きたたらせ、ローレライと同じように湿り気を帯び、そして男の香りを発していた。
「……ぁぁ……オイシソウ……」
ぺろ……
「あぅっ!!!」
筋沿いに舌が這い、カウパーを舐め取る。徐々に、しかし確実に大胆になっていく舌の動き。
「んふっ……はっ………んむぅ……」
カリを舐め上げ、袋を転がし、肉棒をついばむ。鼻孔を刺激する小樽の香りを楽しみながらゆっくりと味わうローレライの表情は恍惚としていた。
「はぁ…はぁ……んふぅ……んふぅ……」
そして、遂には口の中に逸物を含むローレライ。
「んふぅ……ん……んん……んふぅ……小樽の……んはぁ……オイシイ……」
じゅるっ、くちゅっ、ぐぷっ……
口をすぼめて吸い上げる。全体を包み込んで舌で先端を刺激する。そして舌を口内で回転させる。とにかく彼を、小樽を感じていたい。味わっていたいのだ。
「ふぅ……んっ……んんっ……んふぅ……」
「ぁぅっ、うっ……だ、だめッスよ……ウッ……も、もう……」
「んん……良いのよ……んくっ……ちょぉだいぃ……」
じゅくっ、ぐちゅっ、ぐぷっ
「ぁ、ぁぅ、ぅううっ!!!」
どぴゅっ!ぴゅっ、ぴゅぴゅっ!!!
「んんっ!!……んくっ、んくっ、んぷっ!……ぷはぁ……」
勢いよくローレライの口の中に放たれた白濁液は、彼女の口をあふれ出し、彼女の顔を犯していく。
「あは……どろどろぉ……」
顔の白濁液を手で掬い取り、舐め取るローレライ。
「んん……小樽のミルク、濃いわぁ……」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「フフ……」
濃厚なミルクを味わい終えると、既にシミが付いてしまっているスカートを下着と共に脱ぎ捨て、小樽の前で腰を落とし足を広げるローレライ。
「見て……小樽……私も、もう、こんなになってるのよ……」
「あ……」
「フフ……ほら……こんなにイヤラシイ音がしているわ……」
くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ……
自らの密壺をかき混ぜるその手には、愛液がねっとりとからみつく。
その手を自らの顔の前に持ってくるローレライ。指を開くと、愛の吊り橋が生まれる。
「フフ……こんなに……」
じっと自らの指を見つめたかと思うと、突然口に含む。そして、まとわりついていた愛液全てを舐め取る。
「んふ……」
「えっ?……」
それまで自らの指に向けられていたローレライの視線が、不意に小樽に戻る。そして、彼女の手が、小樽の顎をそっと持つ。
「んっ……」
「んぅっ!?……んくぅ……」
再びキスをするローレライ。そして、自らの愛液と唾液のミックスジュースを飲ませる。
二人の口の中に、甘い、妖艶な香り漂う、雌の味が充満する。そして、その雌の中にかすかに漂う、雄の気配。
「んっ……んくっ……んふぅ……」
「んうっ……ふっ、んんっ……んむぅ……」
長い、長いキス。その長い時間をかけ、小樽の、そして自分自身の残りの衣服を取り去るローレライ。お互いの肌を触れ合わせながら続くディープキス。
「んん……も、もう駄目……」
「んふぅ、ふぅ、ふぅ……」
離れた唇の間を名残惜しそうに粘液が後を追う。そして、それらが離れたとき、女は男の逸物を自らの中に導こうとしていた。
くちゅっ……
『あっ……』
……ぐぷぅっ!!!
「ぁああっ!!小樽っ!!!」
「ぁぅぅぅっっ!!!」
「お、小樽の、おっきぃ……」
騎乗位の形で犯される小樽。
(くっ……襞が絡まって……)
「アッ、アッ、やっ、ダメっ、小樽っ、な、中でっ、中で大きくなってるぅっ!」
髪を振り乱しながら腰を振るローレライ。全身から噴き出た汗は足の付け根で愛液と混じり合い、シーツに染みを付けていく。
ローレライの腰と小樽の腰がぶつかり合い、ぱんぱんという音を部屋に響かせる。
「はぅっ、し、子宮に、子宮に当たってるよぉぉぉ……」
涙目になりながら快楽をむさぼるローレライ。その右手は自らの胸を鷲掴みにし、左手は自分のクリトリスを刺激していた。
「はっ、うっ、あうっ……」
「アン……きゃふっ……お、小樽ぅ……小樽ぅぅっっ……」
(だ、駄目だぁ……気持ちよすぎる……)
小樽の理性は負けを確認していた。既に彼の体は快楽をむさぼっていたのだ。もっと気持ちよくなりたい、ローレライを突き上げてみたい。その感情に溢れていた。
しかし、彼の"想い"はその行動を起こさなかった。
ローレライは自分のことを好きな訳じゃない。欲求不満の解消の相手として自分を選んだだけだ。そう自分に言い聞かせることで、自らの行動を抑制していた。
しかし、ローレライの可愛らしい喘ぎ声を聞く度に、彼女に対する"愛情"が芽生えていくのも感じていた。彼女を可愛らしいと思う。彼女を愛おしく思う。
「うっ!……くぅっ!!」
「アン☆……中でビクビクッってしてるね……ふふ……もうダメ?」
「くっ……ううっ……」
「はン……んんっ……いいのよ……ガマンしなくても……ぁん……今日は……くふ……平気だから……ぁあん!!」
「はぅっ!?」
小樽には理解できない、安全日宣言をしたかと思うと、突然ローレライの動きが豹変する。
腰の動きは激しくなり、更に中で締め上げる。自らの体を小樽の体に押しつけ、柔らかい胸が潰れる。背中に回した両手は小樽をさすり、そして激しいキスを交わす。
ぐちゅっ、じゅくっ、ぐりゅっ……
ぱ、ぱ、ぱ、ぱん!!
様々な音が響き、様々な体液があふれ出す。
「んふぅ、ァアン!きゃぁん!んふっ!!」
「はっ、ぁあっ、も、もう……」
「はぁっ!小樽っ!!小樽ぅっっ!!」
「はっ、ロ、ローレライィッ!!」
「そ、そう、呼んで、私の名を、わ、私の……ぁあん!!」
「ローレライッ!ローレライィィッッッ!!」
どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!
「ぁあああああああっっっっ!!!
小樽が、小樽がぁっっっ!!!!!」
びくっ!
「だっ……
ダメェェェェェェェェェェェェェッッッッッッッッ!!!!!!」
ぷしゅぅぅぅぅっっっ
小樽の射精を体内で感じたローレライは、激しく潮を噴き上げながら絶頂を迎えた。
それは、何年ぶり、いや、何百年かぶりに感じた快感だった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ…………」
心地よい気怠さと共に、二人はどちらからともなく抱き合っていた。小樽はローレライの柔肌を感じ、ローレライは小樽のたくましい肉体を感じていた。
「はぁ……小樽の……暖かい……を……感じるよ……」
「えっ……?」
「ありがとう……小樽……」
「で、でも……んっ?」
何かを言おうとした小樽の唇を、ローレライの人差し指が塞ぐ。
「いいの。分かってるわ。
貴方はライムたちが好き。それは良いの。」
「……………………。」
「でも…………」
小悪魔のような笑顔をたたえながら、そっと小樽の口元で囁く。
「時々は、私の相手をしてよね☆」
「ぁ……」
そして、二人の唇がゆっくりと近づいていき……
『おぉたぁるぅ〜〜〜〜〜〜』
「いぃっ!?!?!?」
幸せな心で満たされていた小樽に悪寒が走る。
振り返りたくはない。その声を認めたくはない。
しかし、現実とはいつの世も男を地獄に突き落とす物だった。
ぎ、ぎぎぎ……
小樽がゆっくりと振り返ると、そこには、恐らくメンテナンスルームからそのままここに来たのであろう、全裸のライムたちがいた。
「酷いですわ、酷いですわ、酷いですわぁぁぁっっっ!!!」
「小樽!あたいという物がありながら、一体これはどーいう了見だい!?」
「ずるい、ずるいよ小樽!!ボクも同じ事するぅ!!!」
「ちょ、ちょっと待て!三人とも!!ご、誤解だ!!!
これには深いわけが……」
「五階も六階もないですわぁぁっっ!!!」
「もう、ヤッってやる!小樽、嫌とは言わせないぜ!!!」
「ボクも、ボクも同じ事するんだぁっ!!」
「すとーーーーっぷ!!!」
大混乱の休憩室に響く、ローレライの鶴の一声。
「三人とも、いらっしゃい☆」
『…………え?』
ローレライの発した言葉の意味が分からず、思わず固まる四人。
「取り合ったってしょうがないじゃない。みんなで楽しみましょ☆」
「そ、それってまさか……」
「そ、そうか!なるほど、さすがだぜ、ローレライ!!」
「わーい☆みんな一緒、一緒☆」
「ちょ、ちょっとぉぉっ!?!?」
喜ぶ二人と、混乱する二人。
「だ、駄目よそんなの、小樽様は……」
「はい、おしゃべりはそれまでよっ☆」
「んんっ!?!?」
「んふふっ……んんっ……んくっ……んはぁ……ふふ、気持ちよかった?チェリー?」
「はぁぁ……」
「ふふっ、さぁ小樽、楽しもうぜ☆」
「だぁぁっ、ブ、ブラッドベリー、ちょっと、むぐっ……」
「わぁ……小樽の、なんか濡れてるよ。
ボクが綺麗にしてあげるねっ☆」
5人の宴は、まだ当分続きそうだった。
(ローレライの憂鬱:完)
あ と が き
作:ということで。
L:も、もう差し替えなのぉ!?
作:いーじゃん。修正は早いほうが。
L:修正がない方がいいと思うんだけど、違うの?
作:ぐっ……。
い、いや、それよりも少しでも良い物をと常日頃から探求する方が……
L:してるの?探求をぉ?あんたがぁ!?!?
まっさかぁ〜!
作:んな力一杯否定しなくても……
L:そもそも今回の修正ってNautilrusさんのアドバイスなんでしょ?
作:確かにそれはある。
L:結局自分じゃなーんもできないんじゃない。
作:……言い返す言葉もないです……
(一人いじける作者に暴言を浴びせ続けるL。終。)
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